相続税はどのように納めるのでしょうか?
今回は「相続税の納め方」について簡単に説明をしていきます。
相続税はどのように納めるのでしょうか?
相続税は原則として、相続の開始があったことを知った日の翌日から、10か月以内に現金で(それも一括で)納めなくてはなりません。税金の納付場所は、金融機関(銀行、郵便局等)または所轄税務署です。もし、納付が定められた期限に遅れた場合など、期限までに納付されないときは、延滞税を本税と併せて納付する必要がありますので注意して下さい。
現金で一括で納めることが困難な場合は、どうすればよいのでしょうか?
があります。
延納とは
延納とは、期限内に現金で一括で納めることが困難な場合に、
ただし、延納は年3.6%~6.0%の利子税を払う必要があります。
また、担保として何を提供したかによって、延納期間や利子税が異なります。金融機関から借りて納税をした方が、利率が低いこともありますので検討は必要です。ただし、延納ができる条件は決められていて、下記に記す要件をすべて満たさなければなりません。
- 相続税が10万円を超えていること
- 現金納付を困難とする理由があり、その納付を困難とする金額の範囲内であること
- 相続税の納期限までに申請書を税務署に提出すること
- 延納税額が50万円以上で、かつ、延納期間が4年以上であるときには、延納税額に相当する担保を提供すること
物納とは
物納とは、不動産などの金銭以外の資産を多く相続した際に、
です。現金で一括で納めることはもちろんのこと、延納によっても現金で納めることが困難な場合に適応されます。
延納と同様に、物納ができる条件は決められています。次の要件のすべてを満たす場合に、物納の許可が受けられます。
- 延納によっても、現金で納めることを困難とする理由があり、かつ、その納付を困難とする金額を限度としていること
- 相続税の納期限までに申請書を税務署に提出すること
- 物納を申請する財産が優先順位に従っていること
※ 物納に充てることができる財産は、相続財産のうち、以下の財産に限定されています。その財産が2種類以上ある場合の優先順位が決められています。
第1順位 … 国債、地方債、不動産、船舶
第2順位 … 社債、株式、証券投資信託、貸付信託の受益証券
第3順位 … 動産(自動車、家具など)※特定登録美術品は、上記順位にかかわらず物納に充てることができます。
- 物納を申請する財産が、物納ができるもの(物納適格財産)であること
※ 相続財産の中でも物納ができないもの(物納不適格財産)と、他に適当な財産がないときにだけ認められるもの(物納劣後財産)があります。
【物納不適格財産】
担保権がされている不動産、権利の帰属について争いがある不動産、境界が明らかでない土地など【物納劣後財産】
耕作権等が設定されている土地、法令の規定に違反して建築された建物及び敷地、土地区画整理法による土地区画整理事業等の施行に係る土地につき仮換地又は一時利用地の指定がされていない土地など