どのような場合に相続税が発生するのか


平成24年に実際に亡くなった人の相続税の課税割合は4.2%です。これは、「亡くなった人100人のうち、相続税がかかるのは4人程度」ということです。何も残さずに亡くなる人は少ないはずなのに、どうして4.2%の人にしか相続税がかからないのでしょうか?

 

相続税がかかるには、条件が必要です。この条件を学ぶことで、あなたに相続税がかかるかどうか判断できるようになります。

 

相続税を支払う人の条件とは
相続税は、財産を相続した全ての人にかかるのではなく、正味の相続財産(プラスの相続財産-マイナスの相続財産)である課税価格が一定の額を超える場合にだけかかります。

 

一定の額以内であれば相続税がかからないわけです。これを基礎控除額といいます。この基礎控除額とは、いったいどのくらいなのでしょうか?

 

基礎控除額=5,000万円+1,000万円×法定相続人の数

 

例えば、配偶者と子供2人が法定相続人である場合には次のようになります。

 

5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円

 

基礎控除額が8,000万円ということは、この基礎控除額を超える財産の相続があった場合に、初めて相続税の対象となるということです。

 

配偶者と子供2人が相続した財産が8,000万円以下の場合には相続税の対象外となります。8,000万円までの相続額は除外されるからです。また、相続税の申告をする必要もありません。相続税がかからないケースが多いのもうなずけます。

 

 

相続税改正後の基礎控除額
ただ、基礎控除額は、平成27年1月1日より大きく改正されることになりました。今回の改正により、相続税の課税割合は増えると予測されます。

 

では、改正後の基礎控除額はどのくらい変わってくるのでしょうか? これは、「改正後の基礎控除額=3,000万円+600万円×法定相続人の数」 へと4割程度減額します。

 

先ほどの例で、配偶者と子供2人が法定相続人である場合には次のようになります。

 

3,000万円+600万円×3人=4,800万円

 

現在の制度では、8,000万円であった基礎控除額が4,800万円になります。つまり配偶者と子供2人が相続した財産が4,800万円を超える場合には、相続税の対象になります。

 

基礎控除額を正確に把握するために、法定相続人を知っておきましょう。法定相続人とは、民法によって定められた相続人のことです。具体的には次の人たちです。

 

① 配偶者と子(孫)
② 配偶者と父母(祖父祖母)
③ 配偶者と兄弟姉妹(甥姪)

 

配偶者は常に相続人になります。それと併せて、法定相続人になる人は①から③の順です。法定相続人の数が分かれば、基礎控除額がどのくらいになるかを把握できます。

 

※1 法定相続人の数は、相続の放棄をした人がいても、その放棄がなかったものとした場合の数をいいます。
例えば、子供2人が財産をもらわず、亡くなった人の配偶者だけが財産をもらっていても、基礎控除額は5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円となります。

 

※2 相続人の中に養子がいる場合には、法定相続人の数に含める養子の数については、次の通り制限があります。

 

<被相続人に実子がいる場合>
→ 養子のうち1人までを法定相続人に含めます。
例えば、配偶者と実子1人、養子2人の場合
5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
※実子がいるため、養子の数は1人までしか算入できません。

 

<被相続人に実子がいない場合>
→ 養子のうち2人までを法定相続人に含めます。
例えば、配偶者と養子2人の場合
5,000万円+1,000万円×3人=8,000万円
※実子がいないため、養子の数は2人まで算入できます。

 

ただし、小規模宅地の特例や特定計画山林の特例などを適用することにより、課税価格の合計額が基礎控除額以下となる場合には、相続税の申告をする必要がありますのでご注意下さい。

 

なお、相続税額は、相続財産、法定相続人、基礎控除額などをそれぞれ正確に把握しなければ、算出できません。そのため、必ず税理士にご相談ください。


2018年2月01日 | カテゴリー 相続の基本, コラム 


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