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相続税以外の税金への申告と対策・準確定申告について

相続が発生した場合、10ヶ月以内に相続税の申告と納付をしなければなりません。この10ヶ月をあなたは長く感じるでしょうか?
実は相続が発生した場合には、相続税の申告以外にもしなければいけないことがたくさんあります。

例えば、被相続人が亡くなればすぐに通夜を執り行わなければいけません。その前に、関係者への連絡や葬儀の準備もあります。葬儀が終われば葬式費用の処理があり、初七日法要の準備もあります。結局、相続税について親族や遺族と話をすることすらできないかもしれません。
そのため、相続税の申告までの10ヶ月は「短い」と考えるほうが良いでしょう。

ここから、相続税以外の申告や納付について説明をしていきます。

準確定申告

被相続人が確定申告をしなければならない立場の場合、相続税の申告だけではなく、所得税や消費税を払わなければなりません。申告は、被相続人の代わりに相続人が所得税や消費税の確定申告を行います。これを準確定申告といいます。
この

準確定申告の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です

以下に、準確定申告についての説明をしていきます。

準確定申告をしなければならない人

  • 自営業を営んでいた人
  • 2ヶ所以上から給与を受けていた人
  • 給与所得や退職所得以外の所得が合計で20万円以上あった人
  • 年間2,000万円を超えた給与所得があった人
  • 不動産などを売却した人
  • 生命保険や損害保険の一時金や満期金を受け取った人 など

準確定申告の申告期限

相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内

相続税の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。しかし準確定申告の申告期限は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内です。そのため、相続税のことだけではなく、所得税や消費税の申告があることを忘れないように注意する必要があります。

申告書の提出先

被相続人の住所地を管轄とする税務署へ提出

準確定申告の注意点

給与について

相続開始時点で被相続人の受給されていない給与は、本来相続税の課税対象となるため、所得税は課税されません。

年金について

相続開始時点で被相続人の受給されていない年金は、被相続人の所得税の課税対象にはなりません。この年金を受給した相続人の一時所得となり、確定申告することになります。
また、相続税の課税対象にならないため、相続税は課税されません。

不動産収入について

原則として、契約等により支給日が定められているものは、その支給日に。契約等により支給日が定められていないものは、その支給を受けた日です。

※不動産収入の例外
次のいずれにも該当する場合には、その年の貸付期間に対応するものを収入に計上することができる

  • 帳簿に継続して記帳し、それに基づき不動産所得の金額を計算している
  • 継続的にその年中の貸付期間に対応する収入金額を計上している
  • 帳簿上その賃借料にかかる前受収益及び未収収益の経理を行っている

固定資産税について

準確定申告で固定資産税を必要経費に算入する場合には、固定資産税の通知がきた時点が”相続開始前”なのか”相続開始後”なのかで異なります。

■相続開始前に固定資産税の通知がきた場合
「全額」・「納期到来分」・「実際に納付した額」のいずれかを必要経費に算入でき、有利な方法を選択することができます。

■相続開始後に固定資産税の通知がきた場合
被相続人の準確定申告では必要経費とできず、相続人の確定申告で必要経費に算入することになります。

医療費控除について

被相続人が亡くなられた日までに被相続人が支払った医療費が対象になります。しかし、被相続人が亡くなった後に支払った医療費については、準確定申告の控除対象にはなりませんが、相続税の計算の際に債務として控除することができます。
また、被相続人と生計を一にしていた親族が負担した場合には、その方の確定申告で医療費控除の対象となります。

社会保険料・生命保険料・地震保険料控除等について

被相続人が亡くなられた日までに、被相続人が支払った保険料等の額が対象になります。

配偶者控除・扶養控除について

被相続人が亡くなられた日の現況で判定します。


公開日:2016年7月16日 最終更新日:2023/01/05


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