死亡保険金が支払われたら相続税の申告が必要!申告の際に注意すべき項目は?
死亡保険金の種類
被相続人の死亡によって保険金が支払われたときは、相続税として申告が必要になります。
一般的に支払われる死亡保険金には以下のようなものがあります。
- 生命保険会社・かんぽ・農協などで契約をしている生命保険契約の保険金
- 損害保険会社から、偶発の事故に基因する死亡に伴い支払われる損害保険契約の保険金
これらの保険金が支払われ、相続税の申告をする際にはどんなことに注意すればよいのでしょうか?
以下より、注意点をまとめていきたいと思います。
死亡保険金の相続税申告の際に注意する項目
死亡保険金の相続税を申告する際に注意すべき項目は4つあります。
下記より、それぞれの項目について説明したいと思います。
みなし相続財産
みなし相続財産とは、本来の相続によって取得した財産ではなくても、実質的に相続によって取得した財産をいいます。相続税法では課税の公平を図るために、受けた利益などを“相続によって取得したもの”とみなし、相続税の課税財産とします。
死亡保険金の受け取りによって課税対象となるみなし相続財産は、下記のような項目です。
- 死亡保険金を相続人が受け取った場合
- 保険事故がまだ発生していない保険契約を相続人が引き継いだ場合
- 死亡退職金を相続人が受け取った場合
- 亡くなったときに被相続人が持っていた財産ではないが、被相続人の死亡が原因となって相続人などが受け取ることになった財産がある場合
課税関係
相続財産とみなされる生命保険金などの価額は、保険金のうち、被相続人が保険料を負担した部分です。
なお、保険料を負担した人によって課税の対象が変わるので注意が必要です。
【保険料を負担した人が被相続人】・・・みなし相続財産
【保険料を負担した人が保険金受取人】・・・所得税の対象
【保険料を負担した人が受取人以外の者】・・・贈与税の対象
評価方法
保険金の評価方法は受取方法によって異なります。
【一時金による受取】
一時金の価額がそのまま評価額になります。
【年金による受取(有期定期金)】
次のうち、いずれか多い金額が評価額になります。
- 解約返戻金の金額
- 一時金で受け取ることができる場合の一時金の額
- 年平均額×残存期間に応ずる予定利率の複利年金現価率
【年金による受取(終身定期金)】
次のうち、いずれか多い金額が評価額になります。
- 解約返戻金の金額
- 一時金で受け取ることができる場合の一時金の額
- 年平均額×定期金給付契約の目的とされた者の平均余命に応ずる予定利率の複利年金現価率
非課税限度額
相続人が受け取った生命保険金などのうち、非課税限度額を超えた分が相続財産となります。
非課税限度額は以下の計算によって算出されます。
非課税限度額=500万円×法定相続人の数
そして、一人ひとりの非課税限度額は以下の計算によって算出されます。
一人ひとりの非課税限度額=(500万円×法定相続人の数)×その相続人が受け取った死亡保険金の合計額÷被相続人のすべての相続人が取得した死亡保険金の合計額
まとめ
一般的に、生命保険をかけている人は多いと思います。相続が起こり死亡保険金の相続分を把握しておけば、事前に相続税対策ができます。
生命保険金が多額になる場合は、相続税として支払う額が大きくなることもあるので、生命保険金と非課税限度額を事前に知っておくことが重要になりますので、しっかりと覚えておくと良いですね。