【非上場株式】相続税評価ルール見直しの動きに注目

2026年4月、国税庁は非上場株式(取引相場のない株式)の相続税評価ルールについて、見直しに向けた検討を開始しました。新ルールは2028年1月からの適用が予定されており、事業承継を検討している中小企業にとっては見逃せない動きとなっています。
現行ルールで指摘されている課題
現在の非上場株式の評価では、大会社を中心に採用される「類似業種比準方式」によって算定された評価額が、「純資産価額」と比較して低くなるケースが多く見られます。
会計検査院の調査では、類似業種比準価額の中央値は純資産価額の27.2%(約4分の1)にとどまるという結果も示されています。
こうした評価差を活用し、株価評価を抑えるための対策が行われるケースもあることから、制度の公平性という観点で見直しの必要性が議論されてきました。
今後どのような見直しが想定されるのか
国税庁は、「評価の公平性の確保」「恣意的な株価操作の防止」「第三者承継の実態反映」などを踏まえながら、新たな評価方法の検討を進めています。
具体的には、配当や利益の調整による株価の圧縮を防ぐとともに、DCF法(収益還元法)などの考え方も参考にしながら、企業の収益力をより適切に評価へ反映する方向で議論が行われています。
事業承継対策は早めの確認を
制度改正の内容によっては、これまで有効とされてきた株価対策や相続税対策の効果が変わる可能性があります。
そのため、事業承継を予定している企業では、今後の制度動向を注視しながら、自社株評価のシミュレーションや承継計画の見直しを進めておくことが重要です。
一方で、評価額の急激な上昇によって事業承継が難しくならないよう、実務面への影響も考慮した慎重な議論が求められています。今後の制度改正の内容に引き続き注目していきたいところです。


