相続の基本

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そもそも相続税とはどんな税金なの?2016年6月13日

相続税とはどんな税金なの?

最近、「相続税が~」や「いままでかかっていなかった人がこれからは~」などという話をよく聞きませんか?

テレビや新聞、雑誌などでよく使われているこのフレーズですが、そもそも相続税って何なのでしょうか。そんなに世間で騒ぐほどのことなのでしょうか。このような状況をただ漠然とみている人も多いと思います。

さらに、単純なことですが、意外に相続税の性質まで把握されている人は少ないのではないでしょうか。

今回は初めてのコラムなので、少し「相続税」という言葉について、いまさらながら説明をしていきたいと思います。

日本に住んでいる人であれば、誰にでも納税の義務が発生します。その種類もさまざまであり、かかる税金も人それぞれです。また、これらの税金も誰がかけるかによって「国税」と「地方税」に分かれます。国がかける税金を国税といい、県や市がかける税金を地方税といいます。

その中で相続税は所得税、法人税とならんで国を支える国税の大半を占めています。

それだけ、国民から多くの税金をとっているともいえます。

【相続税の役割】
所得税や法人税は個人、法人へ一定の期間に稼いだ所得に対してかかる税金です。一方、相続税は亡くなった人の財産を受け継いだ時に、その財産の額が税法で定めた額以上の場合に発生する税金です。

毎年かかるものではないため、相続税は少し特殊な税金ともいえます。実際に相続が発生した場合、個人では所得税をきちんと支払っているにも関わらず、再度相続税を支払うことに違和感がある人もいるかもしれません。

しかし、国の本来の目的は

① 偶然に財産をもらった、という不労所得ではないか
② ある特定の人に財産が集中することを抑制する

ということで相続税をかけることにしています。

財産を相続すること、引き継ぐことに対して「得をする」や「財産が増える」といったプラスの面が見られがちです。しかし、財産相続するということは「プラスもマイナスも全て引き継ぐ」ということです。

マイナスの財産、つまり「負債」も引き継ぐことになります。一口に財産といっても、どこまでが財産なのかを把握するには、専門的な知識がなければ到底わかりません。

仮に財産を把握できたとしても、それぞれに相続税額の計算式があり、引き継ぐ人(配偶者や子、もしくは孫、さらには養子など)、さらに誰に引き継がせるかによっても計算式があります。

そのために専門知識を得た税理士がいます。税理士を利用することで、適正な相続税額を申告することができるのです。

【あなたも相続税を支払わなければいけなくなる?】
書店で相続の説明をしている書籍は数多く存在しますが、書籍での説明はあくまで「一般的」な見解になってしまいます。所有する財産の額と種類、各世帯の家族構成、実に無数の実例が存在します。そのような状況で書籍を見て、適正な税額を計算することは非常に難しいです。

では、実際に相続税を納めている人は日本国内でどれくらいいるのでしょうか。

国税庁が平成25年12月にまとめた申告の状況の概要では、平成24年に実際に亡くなった人は約126万人です。このうち相続税を納めた人数は約5万2千人で4.2%となっています。つまり、実際に亡くなった人の数が100人であれば、そのうち4.2人が相続税を申告したことになります。

また、亡くなった人、1人に対して財産を引き継いだ人の数は、平成24年で3.00人となっています。参考までに、対象となった財産の総額は10兆7,706億円、1件当たりでは2億557億円となっています。

その額に対して実際に納税した税額は1兆2,514億円、1件当たりでは2,388万円となっています。これらの数字を見ても、いかに国税として重要な税金であるかが分かると思います。

また、上記のような件数や税額は今後、増えると予測されます。なぜならば平成27年1月1日より税制改正により「相続税を納めなければいけない基準」が下がったためです。これが、世間で広く「相続」が取り上げられている要因なのです。

課税の対象者が増えることにより、相続税の件数も税額も増えることになります。当コラムを閲覧されている方も、今までは自分に関係のなかったことが、もしかすると関係してくることになり、相続税の対策が必要になるかもしれませんね。


2016年6月13日 | カテゴリー 相続の基本, コラム 

相続人がいない場合はどうするの?2016年6月13日

前回のコラムで、相続財産を受け取る権利がある人たち(相続人)について説明をしました。

しかし、被相続人(亡くなった人)に法定相続人(法律で定められた、正規の相続人)がいない場合は財産はどうなるのでしょうか?

例えば下記のようなことは、起こりうることです。

 ◆ 被相続人の父母(祖父祖母)が既に死亡して、被相続人に配偶者や兄弟姉妹などがいない場合
 ◆ 被相続人の配偶者、子(孫等)、父母(祖父祖母)、兄弟姉妹が既に死亡している場合
 ◆ 相続人全員が相続の放棄をした場合

このような場合は、被相続人が遺言書を遺していれば、被相続人の意志を尊重して遺言に書いているように相続を反映させることができるのですが、遺言書がない場合、又は、遺言書があっても一部の遺産についてしか書いておらず、遺産が残ってしまう場合があります。

そのときは、遺産は最終的に国のものとなります。

ただし、そのような場合でも、以下のように手続きを行う必要があります。

【相続人がいない場合の手続き】

① 相続人の有無が明らかではないときは、家庭裁判所に「相続財産管理人選任の申立」を行う。
※相続財産管理人とは、家庭裁判所から選任され、相続人がいるかどうか、明らかでない相続財産の管理を行う者で、一般的には地域の弁護士が就任します。
② 相続財産管理人が選任されたことを官報で公告する(公告期間2か月)
③ 被相続人の債権者・受遺者に対する請求申出の公告する(公告期間2か月以上)
④ 相続人捜索の公告を行う(公告期間6か月以上)
⑤ 特別縁故者による財産分与の申立(上記公告期間満了から3か月以内)
⑥ 特別縁故者へ遺産の引き渡し
※「特別縁故者」とは、相続人以外で次の人をいいます。
 ・ 被相続人と生計を同じくしていた人
 ・ 被相続人の療養看護に努めた人
 ・ その他、被相続人と特別の縁故があった人。ただし、特別縁故者であるかどうかは最終的に裁判所が行う
⑦ 処分されない相続財産が国のものになる

【相続放棄】
相続放棄とは、文字通り「相続財産(プラスの財産とマイナスの財産の全部)の相続を放棄する」手続きのことです。マイナスの財産がプラスの財産を上回る場合などは、相続放棄をすることが非常に有効な手続きとなります。

相続放棄は、3か月以内に家庭裁判所に申し立てをしなければなりません。3か月以内であっても不動産の名義変更等を行っている場合には、相続放棄はできません。

また、相続放棄をした場合は、最初から相続人ではなかったとみなされるため、代襲相続は認められません。

代襲相続とは、本来相続人になるべき人が被相続人よりも早く亡くなった場合に、「相続人になるべきであった人の子」が代わりとして相続人になることです。

<相続を放棄した場合のメリット>
 ◆ 被相続人の借金等を背負わなくてよい
 ◆ 相続に一切関わらなくてすむ

<相続を放棄した場合のデメリット>
 ◆ 相続放棄をすると、後から撤回することができなくなる
 ◆ プラスの財産を引き継ぐことができなくなる
 ◆ 他の相続人に相続がまわっていく可能性がある

今後、相続税の対象となる世帯は増えるといわれています。各世帯の家族構成はさまざまです。

税理士法人パートナーズでは、いろいろなお客様からのご相談を頂いておりますが、実にいろいろなケースがあります。

財産を相続するかしないかだけでも、手続きが必要でありルールがあります。全てにいえるのですが、ご家族間で一度、そのような会話をしてみてもよいのではないでしょうか。


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